書状保管庫

本書状を、人類に捧げる

遺書 市民の皆さんへ

市民の皆さんへ

 

この手紙が皆の目に触れる時は、私はもう、生きてはいない。手紙を書き終えたら、仲間の兵士に「これを、私が死んだら、そっと時線に流しておいて」って、頼んでみるつもりだ。

 

私の胸は、皆への感謝の気持ちでいっぱいだよ。850年はまだほんの僅かしか過ぎていないはずなのに、君たちとはなんだか何年も共にいるような心地がするんだ。不思議だね。言葉を尽くして、信頼の回復に努め、市民の思いを知ることが、私の使命だと思っていたんだけどね……こんなに君たちに愛着が湧くとは思ってなかった。君たちは私にとって大切な、かけがえのない存在だ。

 

これまで、君たちからは、不安の声や喜びの声、家族とのこと、仕事のこと、学校のこと、苦しみを乗り越えたこと、希望を捨てずに努力し続けていること……本当にたくさんの言葉を受け取った。壁内には、私が守るべき人がいて、その人たちは確かに日々を力強く生きていることがわかった。君たちの想いが、私の背を押してくれた。君たちの意志が、私の背に生えた翼を強く羽ばたかせてくれたんだ。本当にありがとう。私の人生はこれで終わりだけど、君たちはこれから、君の人生を、どう歩んでゆくの?

 

 私の意志は、調査兵団兵によって受け継がれる。調査兵団兵は、君たちが自由を求め続けるなら、これからも喜んで戦い続けるだろう。君たちは、天空を翔ける鳥と、籠の鳥、どちらになりたい?

 

 それでは、任務に出るよ。

 私の心臓を、人類に捧げます。私の命が、自由奪還の礎になりますように。

 

 

850xxxx日 ウォール・ローゼへと旅立つ前に ナナバ

 

追伸 この手紙を、仲間から返してもらって、笑って破くことができたら、任務遂行だ。今回はどうかな。

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